任意整理の費用の相場は着手金が2万円から5万円、減額報酬が減額された分の10%、または解決報酬として2万円
任意整理は、着手金として貸金業者1社につき2~5万円程度、減額報酬として減額された借金額の10%が必要です。
また1社につき2万円程度の解決報酬が必要な場合もあります。
過払い金が発生した場合は、回収金額の20%から25%を支払います。
依頼をしてから、債権者との交渉に3か月~半年ほどかかります。費用は、そのあいだに一括、あるいは分割で支払うことになります。
任意整理にかかる費用の目安
着手金 | 1社につき2~5万円 |
減額報酬 | 減額された債務額の10% |
解決報酬 | 1社につき2万円 |
手数料 | 1社千円程度 |
※ 消費税がかかります。
まず最初に、弁護士や司法書士に依頼をした際に着手金がかかります。借金を返済し終えると、減額報酬と解決報酬を支払います。過払い金が発生すれば、返還報酬金を支払います。
ほかに印紙代などの手数料や、振込手数料などの実費がかかります。
着手金、減額報酬、解決報酬は、事務所によって価格は自由に決められています。
着手金は2~5万円
任意整理をするときに最初に必要になるのが、着手金です。2~5万円くらいが相場です。
任意整理を専門家に依頼したときに支払うお金となります。1社ごと払う形です。
弁護士は着手金を1社につき2万円~5万円とっているところが多いです。司法書士は1社につき2万円程度で、複数社になると、割引されていくところが多く見られます。
減額報酬は減額された総債務額からの10%
減額報酬は借金を返済し終えた後に支払うお金です。「減額された分の借金額の10%以下」が相場です。
たとえば、債務者が120万円の借金がある場合。
債務者は20万円が減額されたとします。
そうすると、債務者の支払い総額は100万円となります。この場合の減額報酬は、20万円の10%である2万円になります。
解決報酬は5万円まで
解決報酬は減額報酬と同じく返済をし終えてから支払うものです。1社ごとにかかります。
解決報酬がある事務所とない会社があります。
理由は、減額されないケースがあると、専門家の報酬金が少なくなってしまうことを防ぐためです。
相場は弁護士が2万円で、司法書士が0~5万円です。
司法書士の解決報酬金に幅があるのは、司法書士の上限が5万円であるからで、たとえば着手金のほう高く設定することで解決報酬金をゼロにしている事務所なんかも多いのです。
返還報酬金は回収金額の20%と25%
過払い金が発生した場合、専門家に返還報酬を支払います。
和解の場合は、回収金額の20%を、裁判の場合は回収金額の25パーセントを支払います。
おすすめの任意整理費用の相場
後から返済がやってくる解決報酬が高いところは、任意整理をしていく際に、返済計画がとん挫する可能性があるので、解決報酬が相場の2万円以下の法律事務所にお願いするのがおすすめです。
任意整理費用のおすすめ費用
- 着手金 2万円~5万円 最初に払うお金
- 減額報酬 債務減額から10% 和解したときに払うお金
- 解決報酬 2万円 和解したときに払うお金
- 返還報酬 和解が20% 裁判が25%
着手金は、1社につき2~5万円くらいの事務所を探しましょう。
解決報酬は、弁護士であればたいてい2万円です。この相場価格がよいと思います。
多重債務者の場合は、和解されていくごとに報酬金が発生しますから、解決報酬が高いと、費用の負担は大きいです。
減額報酬はどこも一律10%なので、10%以上に明記されているところはやめましょう。
なお、事務所に代理返済をしてもらうと、1月に1社ごと1,000円ほどかかりますので、面倒でも自分ですると、安くできます。
司法書士は1社140万円以上の借入額があると引き受けられないので、その場合は必然的に弁護士にお願いすることになります。
任意整理をする際に、どういう点がデメリットになるのか? を知りたい方は、下の内容を参考にしてください。
任意整理と信用情報機関掲載、そのデメリットと対策について
任意整理で信用情報機関に掲載されることのデメリットは、ローンが組めなくなる・新しくクレジットカードが作れなくなる・銀行口座が3か月凍結する・保証人になれない・携帯の機種を分割購入できない・新転居先の審査に落ちることがある、など。すべて対策があります。
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借金がどれくらい減額できるかをお知りになりたい方は診断をしてみましょう。匿名・無料でできます。
任意整理費用をお得にするコツ
着手金、減額報酬、解決報酬の3つを比較する
任意整理の費用を安く見積もるには、「着手金」と「減額報酬」と「解決報酬」の3つのそれぞれを足してみると、けっこう判断ができます。
法務事務所や法律事務所は、それぞれ自由にこの3つの報酬金を決めています。
もちろん上限があったりする領域もあるので、一定の基準には則ってはいますが。
しかし、減額報酬が、ゼロ、だったり、解決報酬が、ゼロ、だったり、極端な価格に明記されている事務所もあります。
法律事務所も客商売ですので、いろいろとこの3つを設定してバランスをはかっているんです。
着手金が安いから、とか、減額報酬が安いから、という理由で依頼をすると、ほかの部分とのバランスで、結局とても高くついてしまった…ということになってしまいます。
そんなことにならないように費用をしっかり見積もりましょう。
任意整理の費用を計算してみよう
任意整理をできる限り安い費用に抑えたい方は、ご自身の「借入総額」と「借入社数」を書き出してみましょう。
- 借入総額
- 借入社数
次に、それぞれの法務事務所や法律事務所が明記している「事務所の着手金」「報酬減額」「解決報酬」3つをそれぞれを掛け合わせてみましょう。
任意整理費用計算式
( 借入社数 × 着手金 ) + ( 減額された総債務額 × 0.1 ) + ( 借入社数 × 解決報酬 ) = 任意整理費用
実際に計算してみた例
こちらは、2つの法律事務所に、それぞれ任意整理を依頼した例です。
2つの例を示します。
合計額がいくらになるのかを計算してみます。A社は司法書士事務所で、B社は弁護士事務所です。
A社とB社の「着手金」「成功報酬」「解決報酬」の比較
A法務事務所 (認定司法書士) | B法律事務社 (弁護士) | |
着手金 | 1社につき2万円 | 1社につき2万円 |
減額報酬 | 0円 | 債務減額から10% |
解決報酬 | 1社につき5万円 | 1社につき2万円 |
A社の場合
減額報酬が0円のA社に頼んでみよう。
サチコさんは5社に50万円と30万円と20万円と10万円と10万円の合計100万円の借金をしていると仮定します。A社の場合は、着手金は2万円なので、着手金は5社で合計が10万円です。
サチコさんの総債務額は120万円で、A社の減額報酬はゼロ円なので、減額報酬を支払う必要はありません。
解決報酬は1社5万円ですから、掛ける5で、解決報酬額は25万円です。実費である5千円をプラスすると、サチコさんがA社に依頼した場合の任意整理にかかる合計費用は、35万5千円、となります。
B社の場合
解決報酬が安いB社に頼んでみよう。
サチコさんが50万円と30万円と20万円と10万円と10万円の借金を、それぞれ5社にしています。2万円×5なので、着手金は、A社と同様10万円です。
サチコさんの総債務額は120万円で、20%である24万円が減額されたとします。減額報酬が減額された額の10%が発生すると、弁護士に成功報酬を2万4千円支払うことになります。
解決報酬は2万円ですから、その合計額は10万円となります。切手代などの実費である5社にかかる5千円をプラスすると、このときサチコさんがA社に依頼した場合の任意整理にかかる合計費用は、22万5千円ということになります。
このケースの場合、2社を比べてみると、差額が10万円も出てしまいます。
「着手金」「減額報酬」「解決報酬」の3つのバランスで費用は考える必要があります。
任意整理費用のおすすめ費用
- 着手金 2万円~5万円
- 減額報酬 債務減額から10%
- 解決報酬 2万円
- 返還報酬 和解が20% 裁判が25%
後払いや分割についての詳しいことは、下の記事が参考になります。
任意整理の費用を後払いにして困難な借金返済を可能に!
任意整理の費用は分割や後払いで支払います。実際に返済がはじまるまでに歳月があり、その期間は利息がストップします。支払いに不安な方は、それまで毎月かかっていた利息のお金を任意整理費用にまわす、と考えることで、依頼費用の支払いはむずかしくなくなります。
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弁護士と司法書士はどっちがいい?
弁護士と司法書士の解決報酬の上限
弁護士(法律事務所) | 司法書士(法務事務所) | |
解決報酬の上限 | 1社20,000円 | 1社50,000円 |
弁護士と司法書士では、任意整理における費用は、弁護士のほうが1.5倍から2倍くらい高いです。
費用面だけで考えれば司法書士がおすすめなのですが、任意整理というものを考えた場合は、弁護士を選ぶべきです。
弁護士と司法書士はいったいどこが違うのか? という点に注目しましょう。
注目すべき点は、解決報酬の値段です。
弁護士の解決報酬の上限が2万円であるのに対し、司法書士の解決報酬の上限は5万円です。
解決報酬金は1社ごとに発生しますから、多重債務者は解決報酬額を高く設定している司法書士に依頼すると、任意整理の費用は高くなってしまう傾向は強いです。
任意整理の場合、減額される額は少ないとみてよいので、解決報酬が高いところに依頼するほうが、損をする場合が多いわけです。
つまり司法書士に依頼をすると、高くつくことが多いです。
また、司法書士は法律の権限が弱いので、いろいろと問題があります。
任意整理においては、弁護士と司法書士のどちらに依頼したほがいいか? は次の記事で詳しく解説しています。
任意整理における弁護士の選び方で大事な5つのポイント
任意整理における弁護士選びで重要なポイントは「無料相談の法律事務所であること」「借金返済の輝かしい実績があること」「しっかりと依頼主とコンタクトをとってくれること」「費用や返済の明確な説明があること」「相場より高くないこと」の5つです。
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【まとめ】 よい専門家に頼むと借金は返せる
任意整理の費用の支払いに困ったときの処置法
- 任意整理費用の着手金の相場は2~5万円
- 減額報酬の相場は、減額債務額からの10%
- 解決報酬の相場は、0から5万円
- 着手金、減額報酬、解決報酬の3つの費用を見て、総合判断する
- 任意整理費用の支払いポイントは解決報酬
任意整理を成功させるには、最初の借金返済の計画案を、しっかり返済可能である、という現実的なものにする必要があります。
任意整理にかかる弁護士費用はとても気になる点ですが、安いだけの理由で専門家を決めてしまうのは、考えものです。成功しないと、費用は無駄になってしまうからです。
相談は5,000円から10,000円くらいの法律事務所が普通です。
この記事で紹介している事務所では、相談は無料です。何回でも、無料で相談に乗ってくれます。
相談は電話になりますが、プライバシー管理を考えてのことなので、必ず電話で相談をしてください。
任意整理での借金返済は、費用の心配も含めて、お話をしてみることが大切です。