任意整理における弁護士の選び方で大事な5つのポイント
任意整理をする際に、弁護士に依頼をすることになりますが、借金返済における弁護士選びはとても重要な問題です。
次の五つのポイントに注目しましょう。
無料相談に対応している
弁護士に相談をすると、5,000円ほどの相談料がかかるのが普通です。
相談をしたからといってこちらがすべてを納得するとは限らないですし、信用できない弁護士の場合、単にお金を支払っただけになってしまいます。
相談を無料で行っている法律事務所が安心です。
このときにポイントとして、受任前に無料で相談が可能なことです。
無料とうたっていても、受任前に実際に弁護士と会うことができなければ、不安です。依頼主の立場に立っている弁護士があることはいちばん大切なポイントです。
実績がある
実績があるかどうかのポイントは、その弁護士が借金を専門の分野としているかどうか? です。
弁護士にはそれぞれに得意分野があります。
もちろん借金一つにこだわっていなくてもOKです。専門としている中に「債務整理」や「借金問題」があるかどうかを確認しましょう。
ありがちなのは、以前は債務整理をしていた弁護士だったのに、今は不動産関連など、大きな案件に興味が移っていったようなケースです。
新しすぎる法律事務所は、経験不足のために、相手との交渉術に今一つ欠けるものがあったりしますので、ここもポイントです。
電話をしたときに、このことを確認して答えてもらうことが大事です。
しっかりコンタクトがとれる
任意整理の場合、依頼者が弁護士と一度は接見をしなければならないことが定められています。
ただし、これは原則的な決まりであって、守っていない弁護士もいます。必ず会ってください。
全国対応の弁護士の場合は、弁護士側がスタッフを派遣してきて近隣で会うかするなりをして対応をしてくれます。(そのときに出張費用がかかります。)
近隣の弁護士にお願いするのが得策かもしれませんが、接見はたいてい一度ことが多いので、東京や大阪の弁護士事務所でも問題はありません。
そもそも借入先の債権者と交渉をすることが任意整理における弁護士の仕事なので、田舎の法律事務所では交渉が不得意なケースも多いんです。
東京の法律事務所であっても、全国各地で無料相談のサービスを行っていたりしますので、そういうところは安心です。
電話をしたときに、スタッフがしっかりと対応をしてくれるかどうかも重要なポイントのひとつといえます。
困ったときに常にサポートをしてくれる体制であるかどうかが大事です。
返済計画をきちんと説明してくれる
「どういったスケジュールでこれから借金返済を行っていくのか?」
借金返済の手順がはっきりしないと不安です。
曖昧なお話をする弁護士は避けましょう。
費用に関しても、分割が可能なのか、何回まで対応をしてくれるのか、支払いに関してはっきりお答えをしてくれる弁護士を選びましょう。
任意整理は債権者との交渉が必要です。相手がどう出るかで状況が変わってくるため、正確なことはいえない部分も実際あるわけですが、できる限り的確な数字やアドバイスを提出するのは、プロである責務だといえます。
費用をきちんと説明してくれる
債務整理の弁護士費用に規定はなく、事務所側で自由に決められるようになっています。
任意整理費用には、「着手金」「減額報酬」「解決報酬」の三つがあり、ほかに手数料(実費)なども加算されます。
依頼する法律事務所が、明確な弁護士費用をしっかりと説明してくれるかを判断材料にしましょう。
費用が高ければ高いなりに理由があることで、実際の話、それだけ腕がよい、ともいえます。高額な費用でも、お客さんが来るわけですから。
もちろん法外な費用を請求する法律事務所も実際存在します。相場を把握しておきましょう。
一般より少し割高かな、と思う程度のところであればべつに問題はありません。
任意整理の費用の相場と支払いを安く抑えるための工夫
任意整理を行う際には、着手金が2~5万円、減額報酬が債務額の10%、解決報酬が2~5万円かかります。すぐに用立てする必要はありません。適正価格にするためのコツについても解説しています。
続きを見る
おすすめの法律事務所です。借金減額の無料診断をしてみましょう。3分の簡単記入、無料です。
任意整理を依頼した場合の弁護士と司法書士の違い
依頼するのは弁護士にしましょう。司法書士はデメリットのほうが大きいです。
任意整理をする際に、費用がいちばん気になると思います。
任意整理をする際に、弁護士と司法書士を比べて違うのは、その依頼費用です。弁護士のほうが割高です。
着手金については、弁護士のほうが司法書士より1.5~2倍ほど高いです。司法書士は着手金のみというところもありますので、司法書士のほうが格安といってよいです。
一般的な弁護士と司法書士の任意整理の費用
弁護士 | 司法書士 (認定司法書士) | |
着手金 | 1社4~5万円 | 1社2~3万円 |
成功報酬 | 減額された債務額の10% | 0円~減額された債務額の10% |
解決報酬 | 1社2万円以下 | 1社5万円以下 |
過払い報酬 | 1社回収額の20~25% | 1社回収額の20~25% |
※ ほかに手数料が必要になります。
※ 消費税がかかります。
- 着手金 任意整理を依頼して交渉がはじまる前に支払うお金
- 成功報酬 減額された借金額からの割合で計算 完済後に支払うお金
- 解決報酬 返済が解決したら支払うお金
- 過払い報酬 過払い金が発生したときにかかるお金
- 手数料 契約書や振り込みなどにかかるお金 1社千円程度
実はこの依頼費用の違いにこそ、両者の仕事の得意不得意の違いや守備範囲の違いが浮き彫りになっています。
任意整理を行う際に、弁護士がよい理由は、法的権限が強く、問題が起こったときに対応ができるためです。
※ 司法書士は国家認定された「認定司法書士」のみが、任意整理を行うことができます。
任意整理における弁護士のメリットとデメリット
弁護士のメリットとデメリットについて知っておきましょう。
弁護士は大きな法的権限を持っています。
たとえば、任意整理で返済がうまくいかなくなるケースがときどきあります。
そんなときに司法書士に頼んでいた場合は、もう一度新しく弁護士と手続きしなければなりません。
司法書士は弁護士に引き継ぐ手続きしてはくれますが、二度手間になる事態は避けられないといってよいです。
弁護士は依頼者の借金額に上限がありません。いくらの借金であっても対応できます。司法書士ですと、1社あたり140万円以上の債務額を扱うことができません。
弁護士にお願いするときの唯一の注意点は、全体的に司法書士よりも任意整理の費用が高いことで、これはお金で困っている債務者にとっては、痛手です。
しかし、費用が高い理由は、弁護士が法的権限を多く所有しているからです。
あと、これは一部の弁護士に限る事柄ですが、債務者に任意整理の支払い能力があるにも関わらず、任意整理ではなく他の債務整理をすすめてくる弁護士がいます。
任意整理よりも、ほかの債務整理方法のほうが報酬額が高いために、時折そういうことがあるので、注意が必要です。もちろん信頼できる弁護士に頼めばこんなことは起こりませんので、大丈夫です。
費用を安く抑えられる司法書士
司法書士についてもメリットとデメリットを把握しておきましょう。
司法書士にお願いすれば、弁護士よりも安い料金で任意整理が可能なのは、実際本当です。
任意整理では「着手金」と「減額報酬」と「解決報酬」が必要になりますが、司法書士は着手金のみというところも多いです。
司法書士は直接債権者と交渉しなければならない任意整理をとても得意としています。借金を専門としている事務所も多く、いい意味で任意整理を十八番としています。
ただし、司法書士は権限に狭量であることはじゅうぶん知っておいて、任意整理はするべきです。
司法書士から弁護士への引継ぎ問題
司法書士の範囲を超えて、債務者の債務額が意外と膨れあがってしまった場合が起こったりします。
自分の解決可能な範囲の仕事にしかできないため、司法書士が「あとは弁護士にお願いしてください」というケースが起こってきます。
いわゆる引継ぎがうまく行われないケースです。
司法書士の中には、自分の法的範囲内ではむずかしそうだと債務者を判断した場合は、お断りするケースもけっこうあります。
逆に、引き受けてしまって、狭量の範囲でしか仕事をしてくれず、あとは弁護士に仕事を放り投げてしまう場合もあります。
2003年の法律の改正から司法書士も債務整理を行えるようになりましたが、司法書士のもともとの業務は、不動産の登記・供託の手続きや、裁判所・検察庁・法務局に提出する書類の作成・提出を代行です。
安易に依頼を承諾してしまう司法書士には注意しましょう。本当に自分の借金額が任意整理で返済できるものなのかを一度ご自身で判断することも大事です。
法的権限を強く持っている弁護士を選ぼう
任意整理を行う際に、司法書士のほうが弁護士よりも費用が安いのは確かですが、弁護士を選びましょう。
問題が起こったときのことを考えると、弁護士のほうが安心です、返済の選択肢も増えます。
弁護士と司法書士の債務整理の権限
1社あたりの債務額の上限 | 法的権限範囲 | |
弁護士 | 上限なし | すべての法的権限を所有 |
司法書士 | 140万円未満 | 簡易裁判所のみ |
債務整理をする際に任意整理で返済しようと考える方が多いのですが、債務者のすべてが任意整理の完済に成功しているわけではない現実を知っておきましょう。
返済能力に問題がない、と思っていても、債権者が突然訴えてきたりする場合もあるんです。
任意整理の成功率は、明確にはいえませんが、50%程度といわれています。
最初から、無制限に法的権限を持つ弁護士を選んでおくべきです。任意整理に使ったお金が無駄になってしまいます。
任意整理を始める前に、デメリットについて知っておきましょう。
任意整理と信用情報機関掲載、そのデメリットと対策について
任意整理で信用情報機関に掲載されることのデメリットは、ローンが組めなくなる・新しくクレジットカードが作れなくなる・銀行口座が3か月凍結する・保証人になれない・携帯の機種を分割購入できない・新転居先の審査に落ちることがある、など。すべて対策があります。
続きを見る
【まとめ】 任意整理を成功させる方法
任意整理における弁護士の選び方で大事な5つのポイント!
- 受任前の無料相談がある法律事務所である
- 借金返済問題の輝かしい実績がある
- しっかりと依頼主とコンタクトをとってくれる
- 返済計画の明確な説明がある
- 費用についての明確な説明がある
弁護士選びを間違ってしまうと、成功するはずだった任意整理が失敗してしまう可能性もあります。
任意整理を解決する最大のコツは、自分の借金問題に親身になってくれる専門家を頼ることです。
お願いしてから実際に借金の返済がはじまるまでに時間がありますので、そのあいだにしっかりと返済費用を貯めておきましょう。
よい出会いがあったならば、借金は無理なく返せます。
返済をしていく勇気を、この機会に一歩踏み出してみてください。