旦那の借金癖は借り入れをさせない環境作りをして対処する
借金癖は習慣化してしまうと、本人の意志や、あるいは近親者の助言では治すことはむずかしいといわれています。
そのようなケースに対しての有効な対処法は、借り入れをさせない状況を外部から強制的に作ってしまうことです。
たとえば、親や、先輩、目上の人など、自分より立場の強い人に戒めてもらうのがよいですし、そういう人がいないのであれば、弁護士を介在させて借金返済をすることで、外部からの圧力をかけましょう。
たとえば債務整理法の1つである任意整理で借金完済を行えば、5年は借り入れができなくなりますので、旦那さんの借金癖については、少なくとも5年は治ることになります。
これからもそのパートナーと末永くやっていこう、という気持ちがあるのならば、一対一で感情的になるよりも、外部からの環境づくりを考えることが大切です。
日常生活でどのような対策をしていったらいいのか？ または対処の仕方について、順番にお話していきますので、ぜひ参考にしてください。
借金は減額して完済しましょう
旦那さんの借金は債務整理という弁護士や法律を介在させて完済するのがよいです。
知らない、という方のために、債務整理についてざっくりと説明しますので、目を通しておいてください。
債務整理をすると、その後5年間は借り入れができなくなるために、旦那さんの借金癖を強制的に治せます。
債務整理は3つ方法があります。
3つの債務整理
- 任意整理 弁護士を通して、債権者と減額交渉をしてもらう
- 個人再生 裁判所を通して、借金を減額してもらう
- 自己破産 裁判所を通して、借金を免除してもらう
任意整理が最もポピュラーで、年間100万人近い方が、これで困難になった借金を完済しています。
債務整理は債務者のために国が作った救済制度です。
たとえば任意整理というものをした場合、これから払うはずの利息が全額カットし、多すぎる分を支払っていた利息が戻ってきて、完済まで弁護士のサポートがなされます。
弁護士が全面的に債権者との和解をはかるので、煩雑な手続きもありません。弁護士費用もそれほど高くなく、分割払いも可能で、後払いもできます。
任意整理がよいのは、あくまで弁護士が介在して借金問題を解決するので、裁判所や法律を伴っていないため、面倒なことがほとんどないことです。
個人再生や自己破産は、裁判所を通す手続きが必要なため、費用も高くなりますから、まずは任意整理を考えてみるのがよいです。
任意整理の特徴
- 内緒で借金返済ができる
- 今後の利息をゼロにできる
- 払い過ぎた利息を減額できる
- 借金理由は問われない
- 借金額の上限はない
- 財産が奪われることはない
- 自分の返済能力に合わせて毎月の返済額や返済期間を設定できる
任意整理をすると、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に、旦那さんの名前が5年間掲載されることになります。それによって、そのあいだ借り入れをすることができなくなります。5年経過すると、再び借り入れが自由にできるようになります。
このことで家族に被害が及んだり、旦那さんの会社に借金をしていたことがバレたりすることはありません。
ご主人には、その借り入れができなくなっているあいだに、更生をしてもらいましょう。
任意整理を行ってから5年の間に起るデメリット
- 信用情報機関に事故情報が載る
- 住宅ローン・マイカーローン・教育ローンが組めなくなる
- 新しくクレジットカードが作れなくなる
- 銀行口座が3か月凍結する
- 保証人になれない
- 携帯の機種を分割購入できない
- 新転居先の審査に落ちることがある
ほかにも任意整理をすることで、ローンを組めないなどのデメリットが起こりますが、現在も借金をしている状態であれば、そもそもそういうことができない状況ですので、現在の状況と変わらることはなく、困ることは起こらない、と思います。そのほかのことでも、ほとんど暮らしの中では影響はありません。
個人再生や自己破産においても、それぞれに特徴とデメリットがありますので、借金額が大きくて、裁判所を通さないともう難しい、という場合は、旦那さんの借金事情に合わせて、よく吟味してみることが大切です。
個人再生のメリット
- 住宅ローンを抱えたまま返済できる
- 任意整理よりも借金が大幅に減額される
- 借金理由を問われない
- 停止される資格がない
- 小規模個人再生手続きが失敗した場合に、給与所得者等再生手続を申立することができる
- 官報に記載されない (ブラックリストには掲載される 5-10年ほど)
- 給与所得者等再生手続ではすべての債権者の同意を必ずしも必要とはしない (小規模個人再生では債務額の多くを占める債権者のみの同意が必要になる)
自己破産後に債務者が課せられる事柄
- クレジットカードが使えなくなる
- 新規のクレジットカードを作れなくなる
- 一定の職業に就けなくなる
- 信用情報機関に載る (いわゆるブラックリスト)
- 官報に載る
- 20万円以上の財産はすべて没収される
- 99万円以上の現金を失う
- 海外などの長期の旅行に行けなくなる(3か月くらい)
もう旦那の借金癖にはうんざりで、弁護士を頼って解決したい、という方は無料相談をしてみましょう。
通常は弁護士と相談をすると、5,000円程度かかりますが、何度でも無料です。
相談だけでしたら、当人でなくてもかまいません。
※ プライバシー安全管理のために相談は電話になります。専門家とは電話でお話をするようにしてください。無料相談の内容が第三者に知られることはありません。
旦那が借金を反省していない！ 向き合う妻側の心得と対策
旦那の借金癖がギャンブルに理由がある場合は専門家を頼る
借金して、嘘までついてギャンブルをしている場合は、依存症の可能性がありますので、専門医を頼ってきちんと治療をする必要があります。
依存症の場合は、本人の意志ではどうにもなりません。そのことについて理解を求めて、妻側でも理解を示してあげてください。
ギャンブル依存は病気であり、まずそのことをお二人できちんと話し合ってみてください。
ギャンブル依存の特徴
- 借金までしてギャンブルをしている
- 嘘を吐いてギャンブルをしている
- 日頃ネガティブになっている
- いらいらして、あたってくる
- 約束をさせたのに守らない
ギャンブル依存の旦那さんに対して、どのようなコミュニケーションをはかればよいのか？ については、当人が自覚をしないことには治らない、そのことを本人にわからせてあげることがなにより重要なポイントです。
そのために家族として自分も協力をする、という意思を、旦那さんに伝えるのがよいです。
旦那さんが嘘を吐いてギャンブルをしているようであれば、それは信頼関係を損なっていることになるわけですが、まずはそのことで自分が裏切られているんだ、と相手にしっかりと言いましょう。
そこからひとつずつ絆を深めていく習慣を取り入れていく必要があります。
まずは妻側から「ご主人を信頼したい」といってください。
「信頼をします」という必要はありません。「信頼をしたいので、そのようにあなたも努めてほしい」という感じで接するのがよいです。
とにかく信頼する人と絆を強く保っていく姿勢を示すことが、ギャンブル依存回復のためにも、家族関係を修復するためにも、重要なことです。
友人や親戚を自宅に呼んだり、いっしょに出かけたりしましょう
旦那さんの借金癖は今の生活にだらしない状況から生まれています。外から風を入れることで、濁った家庭の空気を洗浄して、リズムを変えましょう。
家の中に、できるだけ他人が入ってくる余地を増やしてみてください。
家庭に第三者が立ち入る環境を作り出すことで、人は自我を押さえつけられますし、自分を客観視できるようになります。
そもそも、なぜ旦那が借金をするのか？ というと、それが普通になってしまっているからです。
自分がしていることが他人から見たらおかしなことであると痛感させるには、一人よりも二人、三人と常識人の言い分を増やすことです。
「子供のことを考えてるの？」「家族をどう思っているの？」と問いかけても、なかなか強制力は働きません。
しかし、「〇〇さんにどういったらいいの？」「これが〇〇さんにばれたらなんていうの？」と第三者の具体的な名前をだしてみていってみると、効果的です。
ただし、相手が逆ギレをしてしまうこともありますから、あまり追い詰めないようにしましょう。
なかなか難しい…と思われる方は、外部の強制力として、やはり弁護士を頼るのがもっとも効果的です。
男は社会的なものや法律に弱いので、弁護士の名前が出てくると、たいていひるみます。
相談だけなら、当人でなくても大丈夫です。借金生活とはいい加減さよならしたい、という方は、相談をしてみてください。
※ プライバシー安全管理のために相談は電話になります。専門家とは電話でお話をするようにしてください。
反省していない旦那とコミュニケーションをとる3つの工夫
旦那さんがどうも前向きじゃない…という場合には、次の3つの工夫をしてみてください。対策をお話します。
借金癖の治らない旦那のための3つの工夫
- 一切のお金を妻が管理する
- お金が必要なときは旦那に必ず相談をしてもらう
- 仕事の帰りに連絡をもらう
とりあえずは、今後一切の家庭でのお金の管理は妻が行うようにするのがよいです。夫にはデビットカードで支払いをしてもらいましょう。
このとき「お小遣い管理を完全に奪う」という形ではなく、デビットカードならよい、と折衷案として提案しましょう。
カードなら明細として記録されますので、ご主人がなににどのくらいお金を使ったのか、が妻側からもチェックができるわけです。
それから、次のようなことを少しずつ実践してみてください。
ポイント
- スマホアプリで家計簿をつけてお金の管理をしっかり行う
- お金が必要なときは夫婦二人で決める、と夫に約束させる
- 外食が多いならば、なるべく自炊の機会を増やす
- 二人で共にできる趣味を見つけて、いっしょに時間を過ごす
- 家事の役割分担を明確にする
- お金は家族皆でのイベントに使う
- 子供についての話をする時間を持つ
- 夫の仕事の話題を振る
- 相手のプライバシーは尊重する
- 夫の帰宅時に連絡をもらう
毎月の収支を表にしていき、家計簿をつけるようにしましょう。
お金が必要なときはお二人で必ず相談をして決めるという取り決めをしておくことも大事です。
誰がどんなものにお金を使ったのかを、家庭内で明確にしておく必要があります。家庭生活の中でも、どうしてもお金が必要なところは必ず出てきますので、「お金を使うときはふたりで」と定めておくようにしましょう。
旦那の借金癖を治すのに絶大に効果があるのは、仕事の帰りにメールかLINEをしてもらうことなので、これは実践しましょう。
「面倒くさい…」という旦那さんが多いと思うんですが、妻側からのメッセージ内容に、ご主人が加担すべき内容を加味することで、旦那さんが返信せざるをえない状況に追い込むことができます。
返信さえくれれば、たまには遅く帰ってきても怒らないでいる、というふうにしておくとよいです。毎日毎日ですと、息が詰まりますので。
旦那さんが前向きじゃない場合は、とにかくできる限りコミュニケーションをとっていくことが大事です。
どうやって借金のある旦那と話し合いをしたらよいか？ もっと具体的に知りたい、という方は、以下の記事が参考になります。
旦那の借金癖が理由で離婚を考えている場合は誓約書を作成する
誓約書は具体的な内容を書くことが大事
離婚を考えた場合、ひとまず誓約書を作成するという手段をとってみましょう。
離婚は結婚の10倍のエネルギーが要るといわれています。
その前段階の現在において、誓約書を書いておき、いざというときのために備えておく、という姿勢をひとまずはとっておきましょう。
相手が合意しない場合は法律によって解決することになりますから、自分の言い分が通らない結果も起こってきます。早々と離婚の決意をするのはよくありません。
大事なのは、離婚協議や裁判の可能性も考えて、具体的な内容を踏まえて対処をするということです。
誓約書は専門家を介して作成するのがよいです。内容についてはお金の問題についてしっかりと言及をして、きわめて具体的に書いてください。
家庭内における約束事であったなら、相手は簡単に破ってしまう恐れがありますから、しっかりとした法的手続きを踏んで作成の手続きを踏む、という形をとる必要があります。
誓約書の作成は、数万円程度で、それほど高額なものでもありませんから、実践してみてください。これを破った際には、法的行力が働くことになります。
弁護士か、行政書士に頼むとよいです。「離婚を考えた場合の誓約書を作成したい」といいましょう。
誓約書に書く具体例
- 二度と借金をしない誓いの言葉
- 今後借金をした場合は離婚協議に入ること
- 離婚をした場合の慰謝料の支払い義務
誓約書を書く段取りをつける気持ちを持ったならば、次に離婚手続きについて知っておきましょう。
3つの離婚手続きがある
旦那さんがすでに離婚に応じているのであれば、即座に協議離婚によって離婚が認められますが、旦那さんが認めない場合は、家庭裁判所を通じて離婚調停が行われることになります。
このとき誓約書があれば、妻側の言い分が有利に働くので、やはり誓約書は作っておいたほうがいいんです。
3つの離婚手続き
- 協議離婚 夫も合意している 市町村役場に離婚届を提出すれば離婚成立
- 離婚調停 夫と話し合いをする 家庭裁判所で調停成立後に離婚が成立
- 離婚裁判 夫が話し合いの応じない 妻側に有利となる夫の不利な理由があれば離婚成立
離婚は状況に合わせて3つの段階が考えられますので、それぞれのご家庭に見合った手続きをすることになります。
民法第770条 1項
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元 wikibooks https://ja.wikibooks.org/wiki/憲法770条
一般的にいちばん考えられる離婚理由は、生活費を満足に渡してもらえていなかった、というもので、夫の借金問題の場合は、たいていこれが離婚理由になります。
満足のいくお金を渡してもらっていた場合は、夫が借金をしていても、離婚理由をほかに探す必要が出てくるので、弁護士とよく相談をする必要があります。
暴言や度重なる嘘なども理由の一つとされますので、証拠をつかんでおいてください。慰謝料などを含めて、有利に働きます。
離婚はできるだけしたくない、修復していきたい、と感じている方には、下の記事が参考になります！
離婚をしても旦那さんの借金は相続されない
連帯保証人になっていなければ、離婚をした旦那さんの借金が妻側に相続されることはありません。
知らない間に保証人になっていた、という場合も無効です。
ただし、住宅ローンの連帯保証人になっている場合は、妻側にも返済義務が発生しますし、妻側が不利に働く日常家庭債務と呼ばれるものもあります。
これは、旦那さんの借金したお金が、水道費や光熱費など、いわゆる家庭で使われているものに支払われていた場合、一方的に旦那さんだけが悪いというふうには立証するのがむずかしくなってくる、というものです。
ただし、妻側が知らなかった、聞いていなかった、というなら、それもまた協議対象になりますから、専門家を介して和解案を導くことになります。
これらのことについては、とにかく個人で考えこまずに、専門家に相談をあおいでみてください。
離婚後における妻側の返済義務発生の有無
| 【旦那の借金理由】 | 【妻の返済義務】 |
| ギャンブルや遊興費など個人的なもの | なし |
| 住宅ローン | あるが、協議できる |
| 日常における生活費 | あるが、いくらか協議できる |
旦那の借金についてはどうしても許せない…と感じておられる方は、下の記事を一度読んでみてください。
旦那が浮気をしていた場合は相手に慰謝料を要求できる
借金癖のある旦那さんと離婚を考えている場合、ほかの理由として浮気もある、という方もいらっしゃると思います。
浮気は十分な離婚理由として実証できます。有利に妻側が協議をすすめられます。
仮に、旦那の女性問題が浮気レベルでなく、明確な不倫関係にある場合は、不倫相手に慰謝料が請求できます。
民法第709条
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
出典：WIKIBOOKS
引用：https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第709条
旦那さんが我が家に入れるはずのお金を浮気相手に渡していた場合は、その一部のお金を取り戻すことができますので、しっかりと協議をしてお金の問題は解決してください。
家庭問題を大ごとにしたくない、むずかしいことはわからない、という方も多いとは思うんですが、法律は弱い人を守るために作られたものですので、安心して取り組まれてください。
旦那さんの借金で悩んでいる方は、弁護士に今自分が悩んでいる事柄について、相談をしてみましょう。一度専門家と話し合いの場を持ってみてください。
借金に強い弁護士ですので、必ず力になってくれます！
※ プライバシー安全管理のために相談は電話になります。専門家とは電話でお話をするようにしてください。
借り入れを強制的に辞めさせて家族の修復を！
旦那さんの借金癖が普通になっている場合、借り入れを強制的にできなくさせる環境を作ることがもっともよい対策です。
債務整理をすれば、5年間は強制的に借り入れができなくなります。そのあいだに旦那さんの借金癖を治すことができます。
ゆっくり回復していく、と思うことができれば、人生の困難はわりと対処していくことが可能なので、一つずつ対策を施していってください。そのためには外部からアシストをしてもらう、というのがいちばんよいです。
明日つらいことは、今日やってしまいましょう。そうすると、人生のつらさは前より軽くなります。
一度深呼吸をして、お日様の当たっている公園でコーヒーを飲んで青空を眺めてください。
そうしたら、来年の今頃はもうつらい時期ではなくなっている！ と確信できるはずです。
