借金してるのに旅行をする際は返済日を忘れないことが大事
借金があって旅行をする方や、今回の旅行のために借金をされる方は、定まった期日に返済することを忘れないようにしましょう。
返済が滞ると、ペナルティが課せられます。高額な利子が発生したり、裁判で訴えられたりします。
旅行をすると、心のどこかで「なんとかなる」と借金のことをつい忘れてしまう感覚が起こりがちです。
また、最初からしっかりとした返済計画でなかった場合には、旅行によって間違いなくその後の返済が苦しくなります。
もっともよくあるのは旅行での散財によって返済計画が立ちいかなくなってしまうケースです。
なにも旅行を制限する必要はありません。返済の目途をつけることが大事です。
借金返済が困難だ…と思われる方は、旅行前に(あるいは、旅先から帰った現在)債務整理を検討してみてください。
債務整理をすると、今後の利息をゼロにすることができます。また滞納によって課せられていた遅延損害金を減額することも可能です。
滞納をすると、どんなペナルティーが発生するのか? についてのお話と、債務整理についてのお話をしていきます!
滞納をすると遅延損害金が発生する
借金の返済に遅れると、遅延損害金が発生します。ペナルティとして、高額な金利が発生します。
遅延の罰則による金利は、通常20%増しで発生することが多いです。銀行のカードローンは、18%~19%のところが多いです。
民法420条
1.当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
2.賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3.違約金は、賠償額の予定と推定する。
遅延損害金を発生させないためには、「最低弁財額(これだけは最低限支払っておかなければならないお金)」を支払う必要があります。払えない場合は、担当の方に直接お電話で、現在の事情を伝えてください。
旅行先から帰ってみたら「多額の遅延損害金が発生していた…」ということにならないためには、返済期日と返済額をしっかり確認しておくことが大切です。
催告書が届くと財産が差し押さえられる
取り立ての流れについて、ご説明します。次のようなステップで、取り立ては厳しくなります。
滞納から2日を過ぎると、取り立ての電話がきます。「延滞していますよ」「払ってください」と担当者から直接携帯電話に連絡が入ります。
滞納をした際の取り立ての流れ
滞納が1か月になる頃には内容証明郵便で督促状が届きます。
内容証明郵便とは、郵便物の内容の文書を法的に証明するものです。督促状には借金の一括請求が書かれてあり、内容は「借金しているお金をぜんぶまとめて払ってください」というものです。
こうなってしまうと、分割対応は認めてもらうことはすでにできません。
また、このとき資金繰りをしようと新たな業者に借り入れを頼んでも、すでにブラックリスト入りしているために、ほかのどこの業者からも借入はできない状態です。
督促状を無視していると、今度は催告書という督促状よりもより強い調子の通知が届きます。「国による強制執行を行う」という報告です。
強制執行がされると、財産が没収され、給与が差し押さえられます。そうすると、もう勤め先にも知られることになります。
また、これらの一連の取り立ての流れについては注意点があります。
ここに記したステップは、まだ1回も滞納をしたことがない債務者に対してのものです。過去に滞納の経験がある方は、より強く、早い流れで強制執行まで行われます。
こうならないためには、旅行から帰っても借金をきちんと返済できる具体的な計画を、前もって確認しておくことが大事です。
返済プランで確認しておくべき6つの項目
旅行から帰ってきたあとで、借金を滞納していて大変なことになった事態にならないために、「返済プラン」を旅行前にしっかりと作成しておきましょう。
返済プランでチェックしておくべき6つの項目
- 金融機関名 (お金を借りている金融機関)
- 金額 (金融機関ごとにいくら借りているか?)
- 返済日と返済額 (毎月の返済日と支払い額)
- 給料 (毎月の決まっている収入)
- 出費 (毎月の決まっている出費、家賃・公共料金など)
- 旅行にかかる予定総額
旅行に際して新たに借り入れがある場合は、その金額もしっかり明記しておくことが大事です。
旅先での金銭管理がとても大切
返済計画が旅行によって狂ってしまわないためには、旅行中でもお金を管理することが必須です。
スマホの無料アプリの家計簿のマネーフォワードが便利です。
明細やレシートを自動で読み込んでくれます。一日の終わりに、これくらいお金使ったんだな…とホテルのベッドの上で確認するとよいです。
宿泊代や交通費は前もって旅行前に確認できる料金ですが、飲食代やお土産代などは、そのときになってみないといくらかかるのかわからないものなので、その都度忘れずに計上していきましょう。
旅行前に計画していた出費を大きく上回ることが、ほとんどの場合で起こることは覚悟しておき、そのことを考慮した余裕ある返済計画を作ってください。
なにより旅先で支出をしっかりと把握することが大事です。
心配な方や、すでに滞納をしている方は債務整理で解決する
債務整理をすると遅延損害金をカットすることができる
すでに返済が滞り、遅延損害金が発生していたり、督促状が郵送されている方は、債務整理をすれば、遅延損害金を発生させず、裁判を起こされることも回避できます。
債務整理とは滞納によって発生した遅延損害金や、今後に発生する利息を減額にすることができる社会制度です。
弁護士が借金減額のための交渉を債権者と行います。
3つの債務整理
- 任意整理 弁護士を通して、債権者と減額交渉をしてもらう
- 個人再生 裁判所を通して、借金を減額してもらう
- 自己破産 裁判所を通して、借金を免除してもらう
この3つの中で、最もポピュラーに利用されている債務整理法が、任意整理です。
任意整理をすると、弁護士が債権者に対して借金を減額することを和解させ、一括請求がされていた場合はその見直しをはかるよう要求することができます。
債務者は3~5年をかけ、自分の支払い能力に応じて、毎月一定の額を支払っていき、完済を目指します。
任意整理において、財産が没収されることはありませんし、借金理由も問われません。旅行にかかったお金であっても減額対象です。
会社や家族に知られることについても心配要りませんし、面倒なことはすべて弁護士がやってくれるので、手続きも楽です。
(弁護士とは一度だけ面談をする必要があります。地方の方は面談出張してくれます。)
任意整理の手続きの流れ
旅行で借りたお金が返せなくなった方は、任意整理を検討してみてください。
任意整理の特徴
- 内緒で借金返済ができる
- 今後の利息をゼロにできる
- 払い過ぎた利息を減額できる
- 借金理由は問われない
- 借金額の上限はない
- 財産が奪われることはない
- 自分の返済能力に合わせて毎月の返済額や返済期間を設定できる
ただし、督促状が届いて2週間以上が経過していた場合は、任意整理をすることは難しいので、早めの対処が必要になってきます!
任意整理のデメリットは実はメリットでもある
任意整理をするには、債務者に固定収入が必要です。
借金が減額されるといっても、毎月一定額は支払っていかなければなりませんから、支払い能力を証明する必要があるわけです。このことが任意整理を利用する際の一番大きい条件(デメリット)だとはいえると思います。
もちろん、パートやアルバイトの方でも、ちゃんと収入があることを証明することさえできれば、任意整理をすることは可能なので、安心してください。
そのほかにも、任意整理をする場合、次のようなデメリットが起こります。
任意整理を行ってから5年の間に起るデメリット
- 信用情報機関に事故情報が載る
- 住宅ローン・マイカーローン・教育ローンが組めなくなる
- 新しくクレジットカードが作れなくなる
- 銀行口座が3か月凍結する
- 保証人になれない
- 携帯の機種を分割購入できない
- 新転居先の審査に落ちることがある
任意整理をすると、その後5年程度は借り入れができなくなり、また、住宅のローンを組んだり、教育ローンを組んだりすることもできません。
しかし、5年ほどを過ぎると、信用情報機関から名前が消えるので、その後はもとのように自由に借り入れができるようになります。
任意整理のデメリットがメリットである理由
- 任意整理をすると、借り入れをできなくさせる働きを強制的に作ることができる
そもそも、毎月の返済が難しい方や、すでに滞納をされている方は、現在借入することができないはずですから、任意整理をすることはデメリットよりもメリットのほうが大きいといえます。
なにより、ここがポイントなのですが、任意整理は外部から強制的に借り入れをなくす作用が働きますから、浪費癖や借金癖の方にはそれを食い止めるための効力が発揮されます。
「どうしても借金生活から脱け出せない…」という方にはとても効果的な借金整理法です。
また、任意整理をすることで、クレジットカードを使用することに制限もかかるわけですが、実は作成する裏技もありますので、使用したい方は以下の方法で作ってください。
任意整理のときのレジットカードの作り方
所有のすべてのクレジットカードで借金をしていて、すべてが任意整理対象である場合は、それらのカードの使用が停止になります。
任意整理前に審査の通りやすい会社に申請してクレジットカードを作っておくと、そのカードを使用することが可能です。
流通系が比較的審査が甘いので、申請をしてみましょう。「セディナカード」などがよいです。
ご自身の借金がいくらくらい減額されるのか? を知りたい方は借金減額診断をしてみましょう。
通常は弁護士とお話する場合、5,000円ほどかかりますが、こちらからの相談は何度でも無料です。
弁護士とはお電話でのお話になります。プライバシーを配慮してのことです。
債務整理をしても旅行をすることに制限はかからない
任意整理をはじめとする債務整理をすると、旅行に制限がかかるのではないか? と心配される方がいらっしゃるのですが、自由に長期旅行にも海外旅行にも行けます。
この心配が出てくるのは、債務整理をすると信用機関情報に名前が載ることが理由だと考えられます。
信用情報機関は、お金に関する事故情報を掲載するものであり、旅行に制限がかかるのは、いわゆる法的な罪を犯した方が対象です。つまりお金の貸し借りの問題は犯罪ではないので、旅行などのレジャーにはなんの不便も起こらないということです。
ただし、自己破産を考えている方は、旅行に際して注意が必要です。
自己破産をした場合は、裁判に申し立てをしてから免責が決定されるまでの3か月から半年くらいは、海外や長期の旅行に行くことが難しくなります。
(「免責」とは、裁判所が、自己破産を認めますよ、という申し出を、依頼人に正式に行うことです。つまり、もう自己破産が認められた! という決定です。)
自己破産をすると債務者の高額な財産(20万円相当以上のもの)は没収されます。その査定をする時間が必要になるため、そのあいだ依頼人が財産を隠したり、持ち逃げしたりすることを監視する意味で、裁判所が依頼人がどこにいるかを確認しておく必要が発生するわけです。
なので、引っ越しなどにも制限がかかります。
任意整理の場合は、毎月返済しているのであれば、まったく自由にこれまで同様旅行に行けますので、安心してください。
自己破産の旅行問題に関して詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事が参考になります。
【自己破産して旅行】ばれるリスクを避けるための対策術
自己破産をすると、クレジットカードが使用できないため、クレジット支払いオンリーである海外でのレンタカー使用で問題が発生します。その対処法と、また自己破産手続き中の旅行における注意点についてお話します。
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トラベルローンの利用は審査が厳しいのが特徴
トラベルローンは旅行に特化してお金を貸してくれる、旅行専門ローンシステムです。JTBやHISなどの大手旅行会社や、銀行や信販会社が行っています。
旅費だけでなく、宿泊代も借入がOKなところが魅力的です。(ただし、飲食代は含まれない場合が多いです。)
トラベルローンでお金を借りる際には、以下の注意点を確認しておきましょう。
トラベルローンの特徴
- 金利が低い 10%前後 (一般のカードローンは、15%から18%)
- 18歳以上の未成年(高校生は除く)でも両親が連帯保証人となって借りられる (一般のカードローンは20歳以上)
- お金の目的が「旅行」とはっきりしているので、計画以上に借り過ぎることがない
トラベルローンの代表4社
取扱い先 | 金利(年率) | 限度額 | 申し込み方法 | 条件 |
JTB | 11.9% | 3万円以上~旅行代金の範囲内 | 営業所来店 | 18歳未満でも申請可能 ただし親権者の同意が必要 |
HIS | 9.87%~12.14%※ | 1回分の旅行代金 | 営業所来店 | 18歳から利用可能 未成年や学生の場合は親権者の同意が必要、高校生は申請できない |
楽天銀行 | 11.5% | 10万円~100万円 | 営業所来店 郵送 インターネット | 未成年は申請不可、パートやアルバイトも申請不可 |
千葉銀行 | 5.0%~5.2% | 10万円~500万円 | 営業所来店 郵送 インターネット | 未成年は申請不可 年収が300万円以上 |
※学生優遇金利の場合は、8.98%~9.35%
トラベルローンのデメリット
- 審査が厳しい、時間がかかる
- 審査が厳しい
トラベルローンの審査に必要な書類
- 資金使途確認書類
- 本人確認書類
- 所得証明書
※ 資金使途確認書類とは旅行先におけるお金の使い道を詳細に記した書類です。また、必要になる書類は企業によって異なります。
トラベルローンは金利が低いことがメリットですが、審査についてはかなり厳しいのが現実です。
すでに複数社で借り入れをしていたり、滞納をされている方は、トラベルローンの審査に通らないことがほとんどだと思っておいてください。
トラベルローンは本当に旅行にのみ特化した借金であることを知って、収入に余裕がある方のみ検討しましょう。
借金しての海外旅行はとりわけ注意が必要
旅は現実を忘れさせてくれます。
旅行をすることで、普段の仕事や人間関係の煩わしさを逃れることができますが、「お金」のことまで忘れてしまうと、後々大変なことになります。
とりわけ海外へ長期旅行を考えて、借金を抱えている方は要注意です。
借金の返済プランは旅行前にしっかりチェックしておきましょう。そして返済が難しいならば、債務整理での返済を考えましょう。
返済プランでチェックしておくべき項目
- 金融機関名 (お金を借りている金融機関)
- 金額 (金融機関ごとにいくら借りているか?)
- 返済日と返済額 (毎月の返済日と支払い額)
- 給料 (毎月の決まっている収入)
- 出費 (毎月の決まっている出費、家賃・公共料金など)
- 旅行にかかる予定総額
弁護士に相談をすると、返済が難しくなった借金も完済が可能になります。
「現在の自分の状況でどういうふうに返済をしていったらいいのか?」とお悩みの方は、完済の具体的なプランを専門家とたててください。
困難になった借金問題を放置していると、後々行き詰まりが起こります。
今のうちに解決に乗り出してください。そして新たな旅に出発する準備を整えましょう。