妊娠していて借金が返せない方は、出産費用は助成金で補い、借金は債務整理で解決する
妊娠して借金があるときのお金の考え方
- 出産に関しては助成金を利用する
- 借金は債務整理で解決する
出産を控えていて借金がある方は、出産費用に関しては、国や自治体の助成制度を利用して、できる限り負担のない出産準備に備えましょう。借金については、国が定めた債務整理で解決しましょう。
債務整理は借金の返済が難しくなった債務者を救済する法律の制度になります。借金を減額することができます。弁護士に依頼をすることで可能です。
とにかくまずは、助成金についてよく知っておきましょう。
平均出産費用である50万円程度が各自支給され、ほかにもさまざまに助成金がありますので、ある程度までは出産費用はまかなえます。
助成金は補助金と違うため、返済する必要がありませんので、安心してください。
しかし、妊娠しているという理由で取り立ては待ってはくれませんので、借金は返済していかなければなりません。
平均の出産費用
- 妊婦検査費用 (月一回、臨月時は週一回の計14回) 10万円
- 出産費 正常分娩 50万円
- 育児用品費用 10万円
なので、借金がある方は債務整理で解決しましょう。
債務整理法の1つである任意整理を活用すれば、今後の利息をゼロにして完済を目指すことができます。
借金理由も問われませんし、財産も没収されません。
3つの債務整理
- 任意整理 弁護士を通して、債権者と減額交渉をしてもらう
- 個人再生 裁判所を通して、借金を減額してもらう
- 自己破産 裁判所を通して、借金を免除してもらう
任意整理のほかにも、個人再生、自己破産などの債務整理法がありますが、これらの債務整理法についてはこの記事の後半で詳しくお話していきます。
とにもかくにも借金で苦しい…と悩んでいる方は、無料で相談ができますので、この機会に専門家に疑問をぶつけてみてください。
※プライバシー安全管理のために借金診断は電話での対応になります。無料相談であっても、第三者に内容が漏れることは決してありません。
※出産を控えていて借金を抱えている、という事情を伝えると、スムーズです。
さまざまな出産・育児助成サービス
助成度制の相談先
- 健康保険の方 健保組合・協会けんぽ
- 国民健康保険の方 市区町村役場
- 市区町村の子育て世代包括支援センター (「お住いの市区町村の名前」と「子育て世代包括支援センター」で検索をしてください。)
目新しい支援でいえば、2023年1月から、妊娠・出産時に10万円相当のクーポンも給付されることになりました。
各自治体がクーポンを配布し、それで育児用品やサービスを受けられる、というものです。自治体によっては、現金支給が可能な場合もあります。
制給付可能対象の出産時
2022年4月生まれ~12月生まれ | 出生時の5万円分のみ支給 |
2023年1月生まれ~ | 全額支給 |
出産時に支給されるものですが、一部は妊娠時でも受け取ることができます! 自治体の窓口に相談をしてみてください。
また、2023年度1月から、出産育児一時金についても、42万円から50万円に増額される運びとなりました。
出産に関する助成金一覧
- 高額医療費支給制度
- 妊産婦医療福祉費助成制度
- 妊婦検査費用
- 出産育児一時金
- 出産費貸付制度
- 出産手当
- 国民年金保険料免除制度
- 育児休業給付金
- 乳幼児医療費助成制度
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 年金の免除
- 医療費控除
助成金13種類
高額医療費支給制度
医療費が一定の金額を超えた場合に、妊婦の方には超過分が返金されます。(年齢及び、所得応じて計算がされます。)
妊産婦医療福祉費助成制度
妊婦である場合は、一部の医療費が所得に応じて助成されます。
妊産婦医療費福祉費助成制度の条件
- 母子健康手帳の交付を受けている妊産婦であること
- 健康保険加入者であること
- 扶養義務者の所得が基準未満であること
妊婦検査費用
妊婦検査にかかる費用については、各自治体が無料券や補助券を配布していますので、これを利用できます。
自治体は各市町村の出張所や保健センターになります。自治体によって補助金の額が変わってきます。
出産育児一時金
出産費用は子供一人につき50万円まで支給されます。以前は、42万円でしたが、2023年度からは8万円プラスされて、50万円になりました。
健康保険加入者であれば、誰でも出産育児一時金の受給は可能です。
事後払い方式ですと、いったん出産費用はこちらで支払わなければならなくなるので、事前に費用が給付される直接支払制度か、受け取り代理制度を利用するのがよいです。
出産一時金
事後払い方式 | かかった分の出産費用を後で返してくれる |
直接支払制度 | 病院側と健康保険組合と合意の元で出産前に費用を受け取ることができる |
受け取り代理制度 | 妊婦側が直接申請書の作成と提出を行うことで、出産前に費用を受け取ることができる |
出産費貸付制度
出産育児一時金が支給されるまでのあいだにお金に困っている方は、無利子でお金を借りることができます。
出産費貸付制度の条件
- 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者または被扶養者で、なおかつ出産育児一時金の支給が見込まれる方で、出産予定日が1か月以内、または妊娠して4か月(85日)以上で病院の支払いが困難になっている方
出産手当金
給与の3分の2を、産前と産後の98日間受け取ることができます。健康保険に1年以上加入していることが条件です。
国民年金保険料免除制度
国民年金加入者の方は、出産する前の月から4か月のあいだ、国民年金保険料の支払いの免除が可能です。
育児休業給付金
雇用保険に加入の方は、育児休業開始の2年のうち、1か月の就労が11日以上の月が12か月以上あることが条件で、育児休業開始から180日が賃金の67%、それ以降については50%が支給されます。
乳幼児医療費助成制度
乳幼児医療費助成金は、各地方公共団体が乳幼児の医療費を助成する制度になります。所得制限や対象年齢などは、各地方公共団体によって変わってきます。
児童手当
出産時から義務教育終了まで受給される手当です。
児童扶養手当
一人親の場合、子供の出産時から義務教育終了まで受給される扶養手当を利用しましょう。
年金の免除
所得に応じて、年金の一部または全額が免除されます。
医療費控除
医療費が10万円を超えた場合(1世帯で)、または所得の5%を超えた場合、超えた額を所得から控除できます。
妊娠したけれど借金があって不安 いくつかのケース
旦那さんや彼氏に相談する内容
- 出産にかかる平均額は助成金でまかなえる
- 出産にはほかにもお金がかかる
- 借金は債務整理で返済する 取り立てを止めることができ、利息をゼロにして返済ができる
旦那に借金があって、ご自身が妊娠しているケース
旦那さんは、これからあなたと共に家族をいっしょに作っていく大事なパートナーです。出産費用については共に理解を得ていく必要があります。
女性と違って男性は出産に関して自覚が今一つ足らない風潮があります。
しかし、子供が生まれれば、それまでの態度を改めていく男性も多いので、ぜひ旦那さんと話し合いの場を一度持って信頼を築いてみてください。
旦那さんの借金について、どう話し合えばよいか? については、こちらの記事が参考になります。
妊娠したけれど、彼氏に借金があるケース
妊娠したことがわかったけれど…彼氏に借金があってどうしたらいいのかわからない…と悩まれている方は、次の2つのうちのどちらかの選択をしましょう。
- 親にすべてを打ち明けてみる
- 親に出産に関しては打ち明けて、借金に関しては2人で解決する
借金は親にしゃべってしまえるなら、そうして問題を解決するのがよいと思います。
しかし、どうしても難しい場合は、親には黙って、彼氏と一緒に借金の解決に取り組んでいきましょう。
親に相談ができない…という方でも、債務整理では家族にも内緒で解決できるので、安心してください。
子供ができたことについて、前向きな未来を考えてください!
親に借金をどう話をしたらよいか? については、こちらの記事に詳しく書いてあります。
ご自身に借金があることを、彼氏や旦那に言えないケース
借金のことを彼氏や旦那さんであるパートナーにいえない…という方もいらっしゃるか、と思います。
そういう場合は、完成予定であると伝えることで理解を求めてください。
それはもう解決済みの問題である、と相手が思ってくれたなら、話し合いはスムーズになります。
もし、どうしても告白できない場合は、内緒で解決しましょう。
借金を完済した後に、借金をしていたことを伝えるのが得策になります。
こちらの記事が参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。
妊娠して借金があり現在無職のケース
現在無職の方は自己破産で借金問題は解決するのが、最も賢明な解決策といってよいです。
自己破産は借金の総額をゼロにできます。
自己破産に関しては社会的に悪いイメージが独り歩きしていますが、デメリットと対策を整えておけば、それほど不安はありません。
自己破産の詳しいことは、こちらの記事にありますので、じっくり考えて検討してみてください。
産休をして借金があるケース
出産を控えて会社を休む場合、給与の3分の2が出産手当として支給されますので、この制度をぜひ利用しましょう。
産前と産後の98日間受け取ることができます。健康保険に1年以上加入していることが条件です。
妊娠時における借金は債務整理で解決する
3つの債務整理
- 任意整理 弁護士を通して、債権者と減額交渉をしてもらう
- 個人再生 裁判所を通して、借金を減額してもらう
- 自己破産 裁判所を通して、借金を免除してもらう
任意整理で解決 妊娠時における借金
任意整理をすると、今後の利息を一切止めて、ご自身の返済能力に合わせた形で分割払いをしていくことができます。
任意整理の特徴
- 内緒で借金返済ができる
- 今後の利息をゼロにできる
- 払い過ぎた利息を減額できる
- 借金理由は問われない
- 借金額の上限はない
- 財産が奪われることはない
- 自分の返済能力に合わせて毎月の返済額や返済期間を設定できる
任意整理をした場合その後の5年ほどはローンを組んだり、保証人になったり、クレジット―カードでキャッシングをしたりすることができなくなるので、その点は注意が必要です。
しかし、あまりあるほどのメリットもたくさんあるので、金利が増えて返済が難しくなっている方は、ぜひ利用すべき制度です。
とりわけ、出産を控えている方は、出産手当が固定収入とみなされますので、これが有利に働きます。任意整理をするには固定収入があることが条件ですが、しっかりと返済能力があると判断をされて、任意整理がしやすくなるわけです。
お子さんが小学校に上がる頃までは、借入ができない生活になることになりますが、それは覚悟しましょう!
今後は借り入れをしない人生設計をたててください。
任意整理後の5年の間に住宅ローンや教育ローンなどの計画をたてるとよいです。支払いに関しては、デビットカードは使用できますので、安心してください。
任意整理を行ってから5年の間に起るデメリット
- 信用情報機関に事故情報が載る
- 住宅ローン・マイカーローン・教育ローンが組めなくなる
- 新しくクレジットカードが作れなくなる
- 銀行口座が3か月凍結する
- 保証人になれない
- 携帯の機種を分割購入できない
- 新転居先の審査に落ちることがある
疑問に思うことがあったら、専門家に聞いてみましょう。
借金に強い弁護士ですので、一度ぜひ相談をしてみてください。
※プライバシー安全管理のために借金診断は電話での対応になります。4分ほどの簡単な記載後、1分くらいで自動返信メールが送られてきます。
個人再生で解決 妊娠時における借金
住宅や車のローンがある方は、個人再生をすれば、ローンの支払いをストップして、借金返済に集中することができます。
個人再生はもともと支払いが困難になった事業主に対して設置された救済措置ですが、個人にも適用されます。借金が多額である場合や、住宅や車などの財産があってそれを手放したくない方に利用されています。
個人再生に関しては裁判所を通す作業なので、任意整理よりも費用がかかります。検討する方は、任意整理を一度考えてみてから判断するのがよいです。
個人再生を考えたい方は、こちらに詳しい内容があります。
自己破産で解決 妊娠時における借金
借金を減額しても支払いがどうしても難しい、そういう方は自己破産を検討してみてください。
自己破産をすると、借金全額が免除できます。
自己破産後は7年から10年程度は借り入れができなくなるので、ローンを組むことについてはしばらく我慢をするか、旦那さんが借金をしていた場合であれば、妻名義で組むなどの対策をするのがよいでしょう。
自己破産をしたことで、お子さんの奨学金を組めなくなるとか、子供や配偶者に影響が出ることは一切ありませんので、安心してください。
借金問題というのはあくまでその人個人の問題として扱われるため、子供たちや旦那さんの会社など、家族に影響が及ぶことはありません。
自己破産後に債務者が課せられる事柄
- クレジットカードが使えなくなる
- 新規のクレジットカードを作れなくなる
- 一定の職業に就けなくなる
- 信用情報機関に載る (いわゆるブラックリスト)
- 官報に載る
- 20万円以上の財産はすべて没収される
- 99万円以上の現金を失う
- 海外などの長期の旅行に行けなくなる(3か月くらい)
自己破産がご自身の借金解決に相応しいものであるかどうかを一度よく検討をしてみてください。
自己破産について詳しい内容はこちらにあります。
債務整理をすると取り立てを止められる
債務整理をする必要がある人
- すでに複数社で借りている
- 借金を一本化したいと考えてはじめている
- 最近返済がつらい、と感じはじめている
- 給料が上がりそうもない
- 最近大きな出費があった
借金があるから出産は難しいんじゃないか…と思われている方は、考えを改めてください。
出産にかかる費用は保険適用外であり、全額自己負担なので、平均出産費用を上回る分については自分での支払いとなりますが、債務整理で解決すれば、借金があっても安心して子供を産むことが可能になることが多いです。
今後ますます大きな出費が予想されます。
帝王切開などの出産になると、大きな負担がかかります。衣料費やマタニティグッズ、お祝いの行事など、出産というイベントにはいろいろとほかにも経費もかかります。
お金の問題を出産後に引きずると、その後子育てがとにかく大変になるので、出産前に解決に乗り出すのがもっともよいです。
妊娠中で借金が返せない方も諦める必要はない
借金をしているから、という理由で出産を諦める必要はありません。
しかし、業者が裁判で訴えてきた場合は、弁護士にお願いをしても解決がむずかしくなってきますので、借金は早いうちに専門家に頼って解決に乗り出す必要があります。
生まれてくるお子さんとの未来を考えて、この機会にぜひお金の問題と向き合ってみてください。
明日に引き延ばすよりも、今解決に乗り出したほうが、借金返済は楽になります!