夫に言えない借金は家族の不安の解消を最優先にして取り組む
夫に言えない借金を抱えている方は、とにかく家族の不安の解消を最優先させることを考えてください。ひとつひとつ手順を追って取り組んでいきましょう。
もし打ち明けるのであれば、借金清算の見通しをしっかりとつけてから、夫にはお話をしたほうがよいです。
夫はその借金について、いったいこれからどうするつもりなのか? を一番不安に思っています。
なので、まずは完済の目途をたてましょう。
そして、夫が疑問に思うこと、不安に思うこと、それらについてできる限り回答を用意しておいて、話し合いには臨みましょう。
次の二つを準備しましょう。
夫に言えない借金を抱えた妻が準備するもの
- 借金完済の具体的な見通し計画を立てるための行動
- 家族の不安を解消するための言葉を用意
この2つの回答をあらかじめ準備してから、話し合いをすると、かなり混乱は抑えられます。
打ち明けることができない…という方は、無理に打ち明ける必要はありません。借金は内緒で解決することができます。この後に詳しくお話していきます。
借金完済の見通しに必要な具体的計画
完済のしっかりした計画を立てるには、正確な借金総額を割り出し、現在の収支バランスを考えて、どれくらいの額であれば毎月返済していけるかを導き出す必要があります。
借金整理をはじめる際に把握すべきこと
- 金融機関名 (お金を借りている金融機関)
- 金額 (金融機関ごとにいくら借りているか?)
- 返済日と返済額 (毎月の返済日と支払い額)
- 給料 (毎月の決まっている収入)
- 出費 (毎月の決まっている出費、家賃・公共料金など)
- おおよその完済予定月
借金完済のコツは、金利の高い業者から返済していくことです。早くに借りた業者や、借金額が多いところではなく、とにかく金利の高い業者から返済していくようにしてください。
とりわけ借金が長期化している場合、金利の高いところから返済したほうが、総債務額が安くて済みます。
返済していくのが難しい場合は、債務整理のひとつである任意整理で解決しましょう。
債務整理は返済が困難になった債務者を救済するために国が作った制度です。夫に内緒で借金整理ができます。
任意整理を行う条件として固定収入が必要なので、パートやアルバイトでもかまいませんが、返済能力がある方限定です。
借金が増えてきている、利息が高すぎる…というような方は、返済能力が限界を超えているので、法律の力を借りて返済したほうがよいです。
任意整理の特徴
- 内緒で借金返済ができる
- 今後の利息をゼロにできる
- 払い過ぎた利息を減額できる
- 借金理由は問われない
- 借金額の上限はない
- 財産が奪われることはない
- 自分の返済能力に合わせて毎月の返済額や返済期間を設定できる
任意整理をすると、その時点から利息はストップします。(2日から2週間。)
もう借り入れをしなければ、現時点以降「借金額」が増えることはないので、毎月一定額を3年~5年をかけて返済して借金を完済していけばよいことになります。
裁判所を通さないために、面倒な手続きがありませんし、会社やご両親に知られる心配もありません。
無料ですので、借金診断をしてみてください。
相談だけであるなら、返済能力があるとかないとかも関係がありません。数分の簡単な記入でできます。
※ 借金診断結果を知るには電話番号が必要になります。プライバシー管理を配慮してのことなので、必ず電話でお話を聞いてください。
任意整理についてさらに詳しい内容を知りたい方は、もう少し後の箇所で解説をしています。デメリットについても知っておいたほうがよいです!
家族に起る不安要素を取り除くために必要なワード
夫が訊ねてくるのは、以下のようなものです。すべて回答をノートに書いてまとめておきましょう。
話し合いで大事なのは、夫が不安に思って聞いてくるだろう答えを先回りして用意しておくことです。
- 家族に迷惑はかからないのか?
- どうしてそんな借金を作ったのか?
- 裏切ったという感覚を理解しているのか?
- なぜすぐに相談をしてくれなかったのか?
- 借金はどうするつもりなのか?
今は考えるだけでパニックになってしまうかもしれませんが、これらのことについて冷静になってゆっくりと考えいきましょう。
夫がまず不安になる点は、その借金のことで家族はこれからどんな影響が出てくるのか? ということです。
たとえば、次のような回答を用意しておくとよいです。
家族の不安を取り除くために必要なワード
家族に迷惑はかからないのか? | 保証人でない限り、家族に一切の迷惑はかからない。 |
なぜ借金なんてしたのか? | 旅行に行くためのスーツケースと洋服を買うのにお金を使った。翌月に返済をすれば問題ないと思った。でも、そのあとに足のケガをして、治療代にお金がかかってしまって、払えなくなった。 |
裏切った感覚はあるのか? | ある。だからしっかり話をしなければならないと思った。 |
なぜ相談をしてくれなかったのか? | 心配をかけると思った。 |
借金はどうするつもりなのか? | 完済する予定が立っているので、心配しないでほしい。 |
連帯保証人でない限り家族であっても返済義務は発生しません。このことは旦那さんにはっきりと伝える必要があります。
また、お金を借りたところが闇金でない限り、夫の会社へ電話をかけてきたり、取り立てが行われることは一切ありません。この点についてもしっかり伝えてください。
夫名義での借り入れができなくなったり、ローンの審査が難しくなったりすることもないです。
お子さんがいる場合、母親としての自覚があるのか? という問題も夫は追求してきますので、そのときは次のように答えるのがよいです。
- 尊敬している夫と、愛する子供に恵まれた自分はとても幸せな身であるのに、自覚が足りなかった。借金なんかしてしまってゴメンナサイ。
夫をたててあげることと、悪いことをした自覚がある、この2つを明確な言葉にしましょう。反省をしている態度が伝わります。
狼狽をあらわにしたり、しっかり言葉を伝えられないと、夫のほうがパニックになってしまい、逆効果です。
「借金を作った理由」は正直にこたえる必要があります。なかったら、お金が足りなくて、や、洋服を買ってしまって、などなにか作ってください。理由がないものは、とにかく不安を増長させます。
裏切った感覚は強く持っている、だから話をしなければならないと思って話をしている、といいましょう。
「なぜすぐに相談ができなかったのか?」という問いには、心配をかけたくなかったからだ、と答えましょう。
とにかくすべての質問に対して、はぐらかさずに丁寧にひとつひとつ回答を与えていくことが大事です。
「夫に言えなくて悩んでいる」と思っているということは、「借金がどうにもならくなった状態」なんだと思います。
反省すると同時に解決するという強い意志を、この機会に持ってください。
夫に言えない借金を解決するための3つの選択肢
妻が借金完済する3つの選択肢
- 夫に話して協力を得る
- 両親に話して協力を得る
- 働いて固定収入を得たあと、債務整理を利用して、借金を減額して自分で完済する
借金解決にいちばんよいのは、夫に正直に話をして、理解をしてもらって家族で返済をしていくことです。どう打ち明けたらよいか? は>>借金を打ち明けるタイミングには要注意!の記事が詳しいです。
そうできないのであれば、両親に話をして協力を得るという、次の解決策を模索しましょう。
両親にも話せない状況であり、借金が現在自分の返済能力を超えているのであれば、債務整理で借金問題は解決しましょう。
夫に話さないのは不誠実だという考えは捨ててください。大事なのは家族に迷惑をかけずに借金問題を解決することです。
任意整理の流れ
債務整理は国が返済困難になった債務者を救済するために作った制度で、夫にも親にも内緒で借金整理が可能です。
固定収入が必要になりますから、現在収入がない場合は、しばらく働きに出る必要があります。
たとえば債務整理の1つである任意整理をすると、5年ほど信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に名前が掲載されて、借入やローンができなくなりますが、生活するのに支障はありません。
詳しいことについては、この後に解説をしています。
任意整理で注意すべきポイント
任意整理をする場合(ほかの債務整理でも同じです)、信用情報機関(いわゆるブラックリスト)に名前が掲載されますので、このことは前もって知っておきましょう。
五年間ほど借入ができなくなり、クレジットカードの利用ができなくなります。
借入ができなくなるなどのデメリットは、任意整理をする当事者である妻だけが該当するので、夫にはなんの被害もありません。
信用情報掲載で起ること
- 住宅ローン・マイカーローン・教育ローンが組めなくなる
- 新しくクレジットカードが作れなくなる
- 銀行口座が3か月凍結する
- 保証人になれない
- 携帯の機種を分割購入できない
- 新転居先の審査に落ちることがある
任意整理中の買い物は、クレジットカードの代わりにデビットカードを用いることで対応するのがよいです。
クレジットカードを作りたい方は以下の方法で作ってください。
任意整理のときのレジットカードの作り方
全部のカードで過去に借金をしていて、すべてが任意整理対象である場合は、任意整理前に審査の通りやすい会社に申請して、1つクレジットカードを作っておきます。
審査が甘いところでクレジットカードを作ることを検討しましょう。流通系は比較的甘いです。「セディナカード」などがよいです。
消費者金融のカードは作りやすいですが、絶対にやめておきましょう!
クレジットカードの審査難易度
【低い】 < 【高い】
消費者金融系 < 流通系 < 交通系 < 信販系 < 銀行系
5年すれば信用情報機関から名前が消えます。また自由に自分名義でローンを組んだり、借り入れができるようになります。
デメリットについてさらに詳しいことはこちらの記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。
>>任意整理と信用情報機関掲載、そのデメリットと対策について
ひとりで思い悩んでいる方は、この機会に弁護士に相談をしてみてください。誰かの力を借りることで、気持ちがずいぶんと楽になります。
任意整理は夫に知られずにできますので、旦那さんに打ち明けられない方は、内緒にしたい、という意向を、弁護士に伝えてください。
数分の簡単な記入でできます。
※ 借金診断結果を知るには電話番号が必要になります。プライバシー管理を配慮してのことなので、必ず電話でお話を聞いてください。
おまとめローンでは借金完済はむずかしい
銀行のおまとめローンはおすすめしません。
借金の一本化をして返済できないか? と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそもおまとめローンは借金返済が目的のものではないことを理解しておきましょう。
銀行で借りたほうが消費者金融よりも確かに金利が安いです。
そのため多重債務の方は、一本化することで利息返済の自転車操業から逃れられるように一見思えますが、総債務額は変わりませんし、長期化するとかえって全体の金利は高くなってしまうんです。
そもそもおまとめローンは審査が厳しく、主婦の場合はなかなか通らないのが現状です。
おまとめローンの審査基準
- 借入社数が3社以上
- 借入残高が年収の3分の1以上
- 固定収入がある安定した企業に一定期間以上勤めている
- しっかりとした返済能力がある
今後の利息がゼロになる債務整理で借金を完済するのをおすすめします。
借金を旦那に言えないそれぞれのケースの対処法
妻の借金理由
- 買物や旅行などの浪費
- 独身時代からの借金
- 家計のやりくり
1つずつ対応の仕方をお話していきます。
借金原因が浪費
買物などでお金を使ってしまった方は、ストレスが溜まっている可能性があります。
心理状態も含めて、生活を根本から改善していく必要があります。
借金の原因は別のところにあるので、その点を解消しないと、再び借金苦に逆戻りしてしまいます。
お金の管理能力を高めて、さらに節約能力も上げてステップを踏んでいくことをおすすめします。
こちらの記事が参考になるので、ぜひごらんになってください。
独身時代から借金
独身時代からの借金を持ち越して、その清算がなかなかできずにいる方は、とにかく早くに借金完済を目指したほうがよいです。
養育、教育、住宅と、結婚生活は長くなるほどますますお金はかかってきます。
任意整理をすれば5年間借り入れ等ができなくなるだけなので、これからの5年間のあいだに金銭面の不自由はなくしていく! という人生設計をたてるとよいと思います。
今の段階であれば夫が理解してくれる可能性は高いです。
借金を抱えて結婚をする場合のリスクと対処法はこちらの記事に詳しいです。
家計管理ができなくて借金
家計のやりくりが上手くいかずに借金を作ってしまった方は、現在の自分の気持ちを2つに分けて考えてみましょう。
- お金の管理ができなかったのは自分だけが悪いのではない
- 黙って借金をしたこと、夫に黙っていたことは自分が悪い
自分が間違っていた点に関しては素直に過ちを認めましょう。
一方、家庭が問題である点に関しては妻の立場や母親の立場から考えましょう。
夫には「借金をしたこと」や「黙っていたこと」については正直に謝罪の言葉を述べるべきです。
ただし、自分ではどうにもならない部分については、夫に助言を求めましょう。
対策として、しばらくお金の管理を夫にやってほしい、という提案を夫にしましょう。
「妻の責任としておまえがやれ」といわれたら、二人でやろう、協力をしてほしい、と持ち掛けてください。
借金返済をしながらのお金の管理に関しては下の記事が詳しいです。
たとえば夫に黙って妻が借金をしてしまうケースでよくあるのが、夫が子供に無関心なために、妻が養育費にどんどんお金をかけてしまって、借金が膨らんでしまったというものです。
すでに家族関係がぎくしゃくしている状態では、荒んだ家庭になるのが目に見えています。
「家族の協力が必要である」ことを夫に訴える必要があります。夫にそのことを理解してもらわらなくてはなりません。
「おまえが悪いんだろう?」といわれたら、「わたしがぜんぶ悪いです、ただ家族はわたしひとりではない、だからこそあなたの力が必要」といいましょう。
子供のためになにをしてあげるのがいちばんよいか? をこの機会に夫とよく話し合ってみることをおすすめします。
結婚生活とはそもそも波乱に満ちたものなので、うまく船を漕いでいってください。
今回のことは家族であることを改めてよく考えてみるきっかけにするくらいの気持ちで臨んでくさい。
旦那に言えない借金は第三者の力を借りることが大事
どうしても夫に言えないときは両親に相談
借金について夫には言うべきのか、言わなくて済むのなら言わないままでもいいのか? という問題について深く悩んでいる人もいると思います。
自分に返済能力がないのであれば、言って協力を得るしか道はありませんし、それが絶対にいいです。
しかし、言ってしまうことで離婚問題にまで発展する恐れがあるのであれば、まずは両親にお話してみて、解決策を模索しましょう。
両親に話をするときも、夫に話すときと同じように、「借金完済の見通し」をしっかりと具体的に伝えるのがよいです。
とにかくしゃべってしまいたい、という気持ちは抑えて、冷静に対処しましょう。
親に話をする問題については、以下の記事が参考になります。
「夫になんとかしてもらいたい」という気持ちもわかりますが、妻としてもできることがあるはずです。
まずは返済計画をしっかりたてることが大切です。そして家族について考えてください。
言わないで返済をしたい方は、債務整理で借金返済をしましょう。収入がない方は固定収入が必要になりますので、働きに出て借金問題を解決する覚悟を持ってください。
すでに事態が悪化しているときは第三者を介する
借金のことがわかってしまって、すでに家庭に波乱が起きている場合は、第三者を交えて話し合いの場を持ちましょう。
問題を大きくしたくない、という旦那さんも多いと思うので、ご両親に話すよりも、専門家に相談をするのがよいと思います。(法律家には守秘義務が発生しますので、両親に知れたりすることはありません。)
大切なのは、旦那さんがどうしたいのか? ご主人の意見をしっかり聞くことです。
夫の怒りが収まらないようであれば、怒りが収まるまで待ってあげましょう。
相手が反対意見をいったならば、耳を傾けてあげましょう。相手がなじってきたら一通り静まるまで聞いてあげましょう。
混乱しているのは夫のほうです。妻は夫より冷静でないといけません。
「借金しているのに、なんだその冷ややかな態度は!」くらいがちょうどいいです。
話し合いの場をもつことができたら、「借金をした理由」「借金はどうすることになっているか?」「二度と借金をしない」ことを具体的に伝えてください。
夫を安心させるためにいうべきこと
- 借金をした理由と正確な借金額
- 具体的な完済の目途
- 家族に迷惑はかからず、借入を二度としないという言葉
家族のためには借金完済をするのが一番大事
夫に言えない借金を抱えた妻が準備するもの
- 借金完済の具体的な見通し計画を立てるための行動
- 家族の不安を解消するための言葉を用意
借金問題はすでに解決する方向に向かっていると話をすると、大きな家庭の混乱は避けられることが多いです。なので、まずは完済の目途をたてましょう。
そして、夫が疑問に思うこと、不安に思うこと、それらについてできる限り前もって回答を用意しましょう。
- 家族に迷惑はかからないのか?
- どうしてそんな借金を作ったのか?
- 裏切ったという感覚を理解しているのか?
- なぜすぐに相談をしてくれなかったのか?
- 借金はどうするつもりなのか?
失墜した信頼を取り戻すのは簡単ではありません。しかし、人生の伴侶であるからこそ、そのような夫の怒りや落胆もまた大きいわけです。
マイナスの問題を共有させられると、相手は単に怒り、悲しみ、不安になります。
マイナスのことに関しては、相手に混乱した形で「共有」させるのではなく、すでに答えが出ている報告という形で「共有」させることが大事です。
借金を返済していくことはプラスであり、正しいことなので、それを「共有」してほしい、と夫にいいましょう。
借金問題によって家族がダメになっていくのはバカげています。家族によって借金問題を解決してください。
そのために自分にできることはなにか? を考えて行動を起こすことが大事です。