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借金はなんとかなるか? 「総額」「収支」「理由」「経過」「未来」の5つの項目で判断する
次の5つを具体化してみると、現在ご自身の借金問題のレベルについて、おおよその判断ができます。
借金がなんとかなるか? を判断するための5つのチェック項目
- 返済総額
- 収入と支出のバランス
- 借金理由
- これまでの経過
- 未来の収入
ひとつずつ解説していきます。
借金総額を数値化してみる no.1
現在の利息を含めたの借金(債務総額)を洗い出してみましょう。
現実的に返済できる額であるのか? それについて考えることで、現在抱えている借金が返済可能なものであるかどうかが、わかります。
債務額が30万円程度なら、なんとかなるんじゃないか、と思えるかもしれません。100万円を超えてくると、難しくなってくる、そう思うかもしれません。
自分の総債務額を洗い出してみても、実感が湧かない、という方は、総量規制というものを考えてみましょう。
新しい貸金業法のポイント
(1) 総量規制 借り過ぎ・貸し過ぎの防止
借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借り入れができなくなります。
2010年に貸金業法が改正されました。貸出総額に制限がかかり、借入限度額は年収の3分の1までとされています。
つまり、一般的にいうのであれば、年収の3分の1を上回っていれば、その借金額はその者の返済能力を超えています。
利息についても、この機会に考えてみてください。
「こんなによけいなお金を毎月支払ってまで借金をしている理由って、なんだろうか?」と疑問に思うのであれば、ご自身の借金について向き合うべき、よい機会です。
収入と支出のバランスをはかってみる no.2
現在の「収入」よりも「支出」が過度に多ければ、間違いなくこれから借金額は増えていきます。借金がなんともならないものになる可能性は高い、といってよいです。
膨らんだ借金を返済していくには、収入源は増えていっていなければなりません。
収入が増えているならば、収入と支出の幅は広くなっているはずです。企業でいえば資本が大きくなっていっているようなものです。
「収入」が増えておらず、借金を継続しているのであれば、本来現在において被る損失を、「未来」に引き延ばしていることになります。
この機会に、ご自身の収支表を作成してみて、借金について改めて考えてみてください。
一か月の収支表の例
給料 25万円 | 家賃 75,000円 |
食費 23,000円 | |
遊興費 30,000円 | |
通信費・携帯代 12,000円 | |
光熱費 10,000円 | |
日用品・消耗品 3,000円 | |
医療費 6,000円 | |
交通費 15,000円 | |
洋服代 16,000円 | |
雑費 10,000円 | |
借金返済額 50,000円 | |
合計 250,000円 |
近々で支出が過度に大きかったり、膨らんだりしているのであれば、要注意です。
理由が明確でない借金は危険信号! no.3
そもそもなんのために借金をしてしまったのか? その理由を今一度考えてみましょう。
即金が必要でついついキャッシングをしてしまった。しかし、計画が狂ってしまって、借金がかさんでいってしまった、という場合がよくあります。
仮に、返済が滞ってしまって、それを返済するために借り入れをしてしまったとしたら、借金の理由は借金をしていた、ということになります。
だとしたら、これはおかしなことではないでしょうか?
返済のための借り入れはまったく無益なお金なので、いったいなんのための借金なのかが、わからなくなります。
それが本当に必要なお金であったかどうか? を見極めましょう。
借金がどうにかなるものなのか、どうにもならないものかが、だんだんわかってくるはずです。
経過が順調である no.4
以下の事項を、ざっと書き出してみてください。
借金返済経過が順調であるかの確認ポイント
- 最初の借入額
- 現在の毎月の借入額
- 毎月の返済額
- 毎月の固定収入額
- 予定の臨時収入(ボーナス)
- 財産
一度も返済日を滞納したことはなく、慌てたことなどないでしょうか? 何度も返済プランが頓挫しているならば、借金との付き合いが身の丈に合っていないと判断できます。
現在新たな返済プランをできるだけ具体的に立ててみてください。
本当にそれは現実的に可能なものでしょうか?
シンプルにいって、返済能力を超えた借金はなんともならないです。
いずれ、切羽詰まった状況に陥ります。借金返済の対策について真剣に考えるときです。
これから収入増加の見込みはあるか? no.5
これから自分の収入は増える見込みがあるか? について考えてみましょう。
今勤めている会社でキャリアアップが臨めそうか? 年収が上がる確実な保証はあるのか?
未来における収入増加が不確定であるならば、借金はなんともならない、です。
なぜなら借金はこれから増えていくことはあっても、減ることはないからです。
もし、未来に対して、漠然とした不安を抱いているのであれば、早くに借金解決に乗り出したほうが、傷は浅くて済みます。
借金をなんとかしたい場合の対処法





任意整理での返済を検討してみる
任意整理の流れ
任意整理は、3年~5年程度をかけて、債務者が毎月返済可能な額を債権者に返済していく債務整理法です。
借金を減額して、返済をしていくことができます。
たとえば、債務者は貸金業者から、通常より高い金利で貸し付けられているケースがあります。
その業者側に有利な法律で、多く支払っていた金利を、弁護士に依頼をすることで、今度は債務者に有利な法律で、取り返すことができます。

わたしは借金総額が350万円ありました。
5年で借金が完済できました。
Sさん・32才男性
借金総額 350万円 借り入れ業者数 3社
債務整理法 | 任意整理 |
職業 | 自営業 |
借金理由 | 事業の失敗、遊興費 |
借金総額 | 350万円 |
最低弁財額 | 288万円 |
毎月の返済額 | 4万8千円 |
期間 | 5年 |
本来の債務総額は、350万円でしたが、多く利息を払い過ぎていたため、最低弁財額(実際に支払わなければならない額)は、288万円となりました。
任意整理をすることで、62万円もの減額ができたわけです。
また、任意整理をする場合、弁護士に依頼をした時点で、利息はストップします。今金銭的に困難な状況で、返済が難しい、という方でも、余裕ができて、返済ができていけるようになります。
任意整理の特徴
- 弁護士に依頼をした月から金利がゼロになる
- 取り立てが止まる
- 弁護士に面会するだけで手続きは簡単。弁護士がすべてやってくれる
- 支払い能力に合わせた返済ができる
- 財産は没収されない
- 借金理由は不問
- 会社や家族に内緒でできる
弁護士に相談した時点で、一切の取り立ても止まります。弁護士に面談をしたあとは、債務者は債権者とやりとりすることもありません。
任意整理のメリットとデメリット


任意整理のデメリット
- 信用情報機関に事故情報が載る
- 住宅ローン・マイカーローン・教育ローンが組めなくなる
- 新しくクレジットカードが作れなくなる
- 銀行口座が3か月凍結する
- 保証人になれない
- 携帯の機種を分割購入できない
- 新転居先の審査に落ちることがある
任意整理後もクレジットカードを使うことは可能
任意整理を行うと、ブラックリストに掲載されます。これは任意整理をすることのいちばんのデメリットなので、この点は注意しておきましょう。
ブラックリストに事故情報が載るのは、「この人は金銭トラブルを起こした経験がある」ということを、知らせるためです。
そうなると、銀行、消費者金融をはじめすべての貸金業者が、「この人にはしばらくお金を貸すのをやめよう」と判断をすることになります。
しかし、信用情報は専門家が閲覧するものであって、個人が見るものではありません。会社の上司や社長が見ることももちろんありません。家族や身内にも知られることはありません。
また、5年程度あれば、ブラックリストの登録から事故情報の一切は削除されます。
任意整理対象となったクレジットカードを使うことや、新しくクレジットカードを作ることもできなくなるわけですが、任意整理をしてもクレジットカードを使用できる方法はありますので、次の方法を参考にしてください。
任意整理をしながらクレジットカードを使用する2つの方法
- キャッシングに使っていなかったクレジットカードを使う。
- 任意整理を始める前に、審査の甘い会社のクレジットカードを作っておく。
任意整理の対象外のクレジットカードであれば、債務整理後でも使うことができます。
すべてのカードで借金をしてしまっている場合は、任意整理前に審査が甘い新規のカードを作るのがよいです。
クレジットカードの審査難易度
【低い】 < 【高い】
消費者金融系 < 流通系 < 交通系 < 信販系 < 銀行系
カードの審査が通らない場合もあるか、とは思いますが、流通系は比較的審査が緩く、セディナなどに申請してみましょう。
(一度に何社も申請しないほうがよいです。1社1社確認していきましょう。)
ほかにも、任意整理をすることで、保証人になれない、住宅ローンが組めない、などのデメリットも発生します。
しかし、現在多額の借り入れをしている時点で、これらのこともむずかしいわけなので、デメリットと考える節はないといえます。
任意整理をして得られる3つのメリットを知ろう

金利がストップします
任意整理は金利をストップさせて、これまでの総債務額を、毎月一定額を支払っていくことができます。
出資法に基づいた「債権者の出資法による金利」と、「利息制限法に基づいた債務者に有利な金利」を比べてみたときに、その総債務額は違っている場合があります。
そこで債務者の借金が減額されることになるわけです。
現在借金返済で苦しまれている方は、ご自身の借金がぜんぶでどのくらいあるのか? を弁護士に確認してみることが大事です。思ったよりも減額される場合もあるからです。
そもそも多重債務になっている方は、多く課せられた金利の支払いが滞り、借金額が増えていくパターンが多いです。
無駄な利息を支払っていることは、本当に意味がないことです。
任意整理をすれば、新たにお金を借りることもなくなって、これ以上借金が増えていくことがありませんから、計画的に借金を返済していくことができます。
借金理由は問われない
「結局自分が作ってしまった借金…」と恥や疚しさから、債務整理に踏み出せない、という方がいらっしゃいますが、なぜ国による債務者の救済措置があるのか? を改めて認識してみましょう。
借金問題はさっさと整理してしまって、その後債務者には活発に経済活動をしてくれたほうが、社会一般的にはよいことなのです。
「このまま借金生活をしていたほうが、まだ余裕がある生活が送れる」「少なくとも今はなんとか生活できている」と考えているならば、問題を先送りしているだけのことに気づいてください。
完全に返済能力がなくなってしまうと、自己破産をするしか方法がなくなってしまいます。
任意整理においては、借金の理由は問われません。
自己破産はそれが身勝手な借金であるならば認可が下りないケースがありますので、今のうちに借金整理に乗り出したほうが賢明です。
借金完済後に借金生活者に逆戻りすることはない
任意整理を行うことで得られる大きなメリット
- 任意整理をすることで、信用情報機関に事故情報が掲載される。それが理由で、その後5年程度借り入れができなくなる。そのことで借金癖が改められる
任意整理をすると、5年程度は借り入れができなくなりますから、このことで大きなメリットが得られます。
つまり、強制的に借金癖を治すことができるわけです。
どうしても借金生活から脱け出すことができない、という方は、任意整理をすることで、その回路を打ち破れます。
借金を返済し終わった後、再び借金生活者に逆戻り、ということはなくなるはずです。
借金あってもなんとかなるは今だけの話
経験者からいうと、「なんとかなる」と思っていて、そのうち「なんともならない…」となるのが、いわゆる借金です。
多くの債務者に見られるのは、最初は少額のキャッシングからはじまり、だんだんと借金が増えていくパターンです。
借金はなんとかなる、と思っている、それって、実はなんかならないんじゃないか…と思っている裏返しなのではないでしょうか?
これ以上ひどくならないうちに、具体的な完済目途を、どうか今一度考えてみてください。
借金によって、自分の人生を奪われてしまうのは、とにかく大切な未来の損失です!